甘い恋には程遠い

桃花「復讐はして欲しない。
その気持ちは変われへんよ。
せやけど、忘れて欲しいとも思わんねん。
復讐以外の方法で、お姉さんの事
忘れへん方法もある思うねん。
大神が忘れたらさ…悲しむよ。
大切な人に忘れられるのは…悲しいよ。」

でも、やっぱり大神は
泣く事も弱音を吐く事もなかった。

桃花「ごめん。何か…あかんな。
言うてる事むちゃくちゃやわ。」

慧「…うん。ちゃんと伝わってるよ。
でも、やっぱり…
今はどっちでもいいかな。
別に忘れた訳じゃないんだ。
多分これからもずっと…。
俺の心の中で姉は生き続ける。
姉が死んだ事も。
悪意に晒されながら生きたあの日々も。
家族がバラバラになった事も。
復讐する事だけを考えてきた人生も。
…なかった事には出来ない。
だけど、そうゆう事を全部、糧にして
前を向いて生きようと思った日の方が
俺の中では大切だから。」
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