君だけが知っている君へ。
たかが鬼ごっこなのに、集中しすぎていつもは長く感じる自由時間にあっとゆう間に物足りなささえ感じた。

「次もまた鬼ね」

君は意地悪な顔でそう言った。

「なんか心桜とアイツ、いい感じじゃない?」

裏切り者の結美が近づいてきて、突然そんなことを言った。

「ナイナイない。ありえないでしょ。今日初めて会ったんだよ?」

「そうかなぁ……なんて。ちょっと心桜が羨ましかっただけだよ」

「結美、あんなヤツが好きなの?!」

思わず大声で言ってしまう。

ちょっと、声大きいよ?!と慌てふためく結美の姿は恋する乙女で可愛かった。


結美が好きな“アイツ”が来たのはそれから2ヶ月後のことだった……。
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