ウルルであなたとシャンパンを
「……汗、かいてる」
指先で汗をすくうように動いたルカの手が、生え際から撫でるようにして顔にかかった髪を耳にかけてくる。
「髪も、まだ濡れてるね」
濡れた香耶の髪の先を指先でもて遊ぶようにしながら、至近距離で視線を合わせてルカは優しく微笑んだ。
「もう少し早く来れば、よかったかな」
「……え?」
これより早く来られてたら、いろいろと間に合わなかったんですけど?
汗に気づいたんなら、私がすごく急いで準備したの、わかるよね?
香耶が疑問符をいくつも浮かべて見上げると、ルカはいたずらっぽく微笑んで、香耶の耳元に顔を寄せた。
「そうしたら、一緒にシャワー、浴びれたのに……残念」
ささやかれた言葉と、優しく触れるやわらかな感触。
耳たぶと、頬に1回ずつ。
ちゅっ、とかわいらしい音。
今度は、はっきりわかった、唇が押しつけられる感じ。
つまりはキスされたのだと理解するより早く、驚きのあまり、顎がスコンと外れたかのように落ちた気がした。
「……入っても?」
愕然とする香耶の様子を楽し気に見下ろしながら、ドアに片手をかけたルカが当然のように言う。
そんなルカに酔ったようになった香耶はフラつくように後ろに下がり、そのままルカを部屋に迎え入れることになった。