【電子書籍化】氷月の騎士は男装令嬢~なぜか溺愛されています~(旧:侯爵令嬢は秘密の騎士)
向かいからフェルゼンが乱暴に私たちを引き離す。
「食事中にじゃれんなよ」
呆れたようにため息をついた。
まるで、保護者みたいだ。
「じゃ、後でね」
シュテルが笑って離れる。
何が後でだ。食事中じゃなくても匂いなんか嗅がれたくない。
「ヤダよ、もう」
ほとほと疲れてそう答えれば、まったくこりていないようにシュテルは笑った。