【電子書籍化】氷月の騎士は男装令嬢~なぜか溺愛されています~(旧:侯爵令嬢は秘密の騎士)
「死ね、変態!」
「ああ、マレーネたんとメイドさん、尊い。メイドさんマレーネたん、モグモグ」
意味不明すぎてコワイ。引く。なんだろう、こちらが制圧したはずなのに、心が死んだ。
無理すぎる。
「ベルン先輩……」
クラウトの腕に縋った手をそっと撫でられて我に返った。心配そうに窺うクラウトがいた。
シッカリしなければ。
「ありがとう、クラウト」
「いえ、当然のことをしたまでです」
クラウトはにっこりと笑って一歩下がる。警備隊が、グルグルになったサンドをズルズルと引きずっていった。
私たちは呆然としてそれを見送る。