【電子書籍化】氷月の騎士は男装令嬢~なぜか溺愛されています~(旧:侯爵令嬢は秘密の騎士)

「シュテル、分かる?」

 問えば頷く。

「魔力を貸して。シュテルのサーベルに水銀を張って」

 シュテルは苦しそうに、サーベルに魔力で水銀の膜を作る。私はそれを氷の魔法でコーティングして、奪い取った。

 私はシュテルを置いて立ち上がった。
 シュテルは、ゴホゴホとせき込み、口元から何かを吐き出した。

 呪いが解けたのだ。

 私はシュテルに振り返った。
 
「後を頼む」
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