【電子書籍化】氷月の騎士は男装令嬢~なぜか溺愛されています~(旧:侯爵令嬢は秘密の騎士)
「僕は、運命も作るよ」
あの日の言葉をシュテルがもう一度言った。
シュテルの大きな手が私の頬を覆う。
血液の中の金属がきっとシュテルに沸騰させられている。身体の中から熱くなる。体を巡っていく鉄が、シュテルの磁石に引かれてしまう。どうしょうもなく触れたい。
鼻と鼻が触れ合って、息と息が融け合って。
「ほら、逃げないと」
シュテルが意地悪に言った。
「魔法、使ってるくせに」
答えればシュテルが笑う。
「違うって言ったでしょ? 理由、分かった?」
悔しいけれど、答えは一つ。