【電子書籍化】氷月の騎士は男装令嬢~なぜか溺愛されています~(旧:侯爵令嬢は秘密の騎士)

「……私がシュテルを好きだから」

 そう答えて、悔しまぎれに私からシュテルに口づけた。
 恥ずかしさですぐに離れようとした私の頭を抑え込み、シュテルがあの日の冷たいキスとは反対の接吻を降らせる。
 あんなに冷たかったキスが、最期にならなくてよかった。

 冷たい身体がグズグズに溶けてしまえば、その体をシュテルが抱き留めた。

「呪いが解けて僕の体から出てきたのは、青い琥珀だったんだよ。あのモンスターに奪われそうになったのは、君への気持ちだったんだ」

 シュテルは言った。

「守ってくれてありがとう。そして本気でお願いする。僕に結婚の約束をください」

 真剣な瞳に射抜かれる。
 答えなんか決まっているのに。
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