【電子書籍化】氷月の騎士は男装令嬢~なぜか溺愛されています~(旧:侯爵令嬢は秘密の騎士)

「約束しよう」

 私は小指を差し出した。
 シュテルははにかんで小指を絡ませる。

 小さいころから何度もしてきた指切り。破ってもハリセンボン飲んだことなんてなかったけど。

 今回だけは例外だ。

「破ったら許さないよ。ハリセンボンだからね」

 そう言えばシュテルが満面の笑みで笑った。


 湖のギシギシと氷が音を立た。ああ、湖の氷が割れる。

 アイスベルクに春が訪れる。



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