【電子書籍化】氷月の騎士は男装令嬢~なぜか溺愛されています~(旧:侯爵令嬢は秘密の騎士)

 日に焼けた肌。厚い胸板。赤い髪には少しだけ白髪が混じっている。左あごには剣の傷が白く残って、いかにも強そうな王国の元帥閣下だ。

「おじさま!」
「やぁベルン、久しぶりだね。エルフェンは王都でも会ったな」

 ヴルカーンのおじさまはそう言ってから、お姉様の部屋の窓に目を向けて軽く手を振る。

「リーリエはますます綺麗になった」
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