冷徹騎士団長に極秘出産が見つかったら、赤ちゃんごと溺愛されています
 

「リリーのそんな顔は、絶対に他の男には見せたくないな」

「そん、なの……っ」

「他の男には、指一本触れさせない。それがロニーであろうと、ダスターであろうと……。きみに触れて、きみを乱すことができるのは、生涯俺ひとりだ」


 どれだけ熱い想いをリリーにぶつけても、結局、最後はリリーの甘さにヤラれてしまうのは自分の方なのだとリアムは知っている。

 いつの間にかリリーに心が埋め尽くされて、彼女に夢中になっている。

 だから、リアムはオリビアに言った言葉に嘘はなかった。


「生涯、俺が愛する女性は、リリーだけだ──」



 ✽ ✽ ✽



「オリビアは、ろーがんとけっこんする!」


 そうしてリアムがリリーとの熱に溺れたあとで、改めてオリビアのもとを訪ねると、思わぬ事態がリアムを襲うこととなった。

 今、リアムの目の前にはローガンと仲良く手を繋いでいるオリビアがいる。

 ローガンはこれでもかと目を細めながら、嬉しそうにオリビアの話を聞いていた。


「ろーがんは、やさしいもん! おりびあ、ろーがんがだいすき!」

「勿体ないお言葉です、オリビア様」

「待て、オリビア。ローガンと結婚するとは、聞き捨てならないな。そもそも俺との結婚はどうした。俺はオリビアが嫁に行くなど、絶対に認めないからな」


 やけに真剣なリアムは、オリビアの前に跪いて事情を聞いたが、オリビアは問題のローガンと相変わらず手を繋いだまま嬉しそうに笑っていた。


「……ふふっ、ライバルが増えちゃったわね」


 またクスクスと笑うリリーの首筋には、先程まではついていなかった赤い花が咲いている。
 
 けれど今回はさすがのリアムも、リリーの甘い熱に溺れた自分を悔いていた。

 あのとき、すぐにオリビアを追いかけていれば──。ようやく手に入れた愛娘の『最愛』を、みすみすほかの男に譲ることもなかったのだ。

 
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