モテ期を過ぎた後は寂しいけれど…
「誠 同棲するの あんまり 乗り気じゃなかったけど。何か 理由があるの?」
私が 思い切って 誠に聞いたのは
長引いた梅雨が ようやく明けた頃。
誠への 愛と信頼は 増える一方だったし。
私は 誠にも 大切にされている 自信があったから。
胸に燻る しこりは 小さなうちに 取り除きたかった。
「んっ?あぁ…渚とは ずっと一緒にいたいよ?」
「じゃあ どうして?」
「俺 ちゃんとしてから 一緒に 住みたかったんだ。」
「ちゃんとして?」
「うん。ちゃんと 渚のご両親に 挨拶して。俺の親にも 報告して…」
「……それって?」
「俺 渚と 結婚したいから。」
「誠……?」
「夏休み 一緒に 田舎に帰ろう?」
「うん。」
私は 胸が詰まって うまい言葉が 見つからない。
「両方の親に 報告したら 部屋探そうか?」
「誠…ありがとう。」
「なんだよ?俺の方が お礼を言いたいよ?」
「ううん。私 ずっと 誠と一緒に いても いいんだね?」
私の言葉は 途切れ途切れで。
変な所で 息継ぎをしてしまい…
とても 聞き取り難かったと思う。
誠は すごく嬉しそうな笑顔になって。
「俺 同級生の ヒーローに なっちゃった。」
私は 誠の胸に 抱き付き
思いっきり 背伸びをして
誠の頬に キスをした。