破 恋
ダランとした千里の手を握りしめる。
千里は、総合病院に運ばれ
検査がはじまる。
大切な物をしまってある所は
お互いに知っていたので
保険証は持ってきて手続きをする
千里は、検査が終わり
検査着に着替えさせられていた。
下着は、持って着たものを
看護師さんにお渡ししていた。
千里の着ていたものは
ビニールに入れられて返された。
千里のお母さんの連絡先は
知らなかったので
保険証を持ってきていた私を
身近な人物だと解釈して
千里の病室で説明を受けた。
千里は、
「軽度の急性アルコール中毒
その上、脱水症状の上
胃の中は空っぽで
風邪が悪化して肺炎となっています。
数日でも遅ければ
命も危なかった。」
と、言われた。
だが、千里の携帯は
壊れていて
両親にも連絡を取ることが
できなかった。
なぜ壊れているのか····
画面が粉々に破壊されていた。
きっと、千里が···したのだろう
なぜか···は·····
想像が·····できた·····。。。
私は、野上主任に連絡をして
しばらく休むことを伝えると
翌日には、病院に来てくれた。
野上主任に連絡した後
みかにも連絡をすると
食べ物や着替えを持って
来てくれた。
何をやっているのかと
叱ることも呆れることもなく
看病する事が当たり前のように
接してくれたお陰で
私のやっていることは
間違ってないと
ほっとすることができた。
みかは、
「他に必要な物があったら言って
直ぐに持ってくるから。」
と、言うと帰っていった。
千里は検査が終わってからも
ずっと眠っている。
腕には、沢山の点滴と
鼻には、酸素マスクをつけられている。
私は、
千里のベッドの横に椅子を置き
座わると千里の手を握る
千里の目の下には深く濃い隈が
できていた。
その隈に触れながら
この人も苦しんでいたのかと
苦しくなり
悲しくなり
胸が苦しく涙が溢れる
うっ·····うっ·····っっ·····
泣きつかれた私は·····
頭を撫でられる感覚に
顔をあげると
千里がこちらを向いて
私の頭を撫でていた。
その目には涙が溢れていて
私はタオルで千里の涙を拭くと
タオルの片すみで
千里が私の涙を拭いてくれて
ふっ···くすっくすっ····
二人で笑ってしまった。
それからナースコールを押して
先生が見えて千里を診察をしてくれた。
千里は、先生から叱られて
苦笑いをしていたが
「何があっても
ちゃんと寝て、ちゃんと食べる
アルコールもむちゃな飲み方は、
しないように。
身体を大切にして下さい。」
と、先生は言って病室を
後にした。
私達は、言葉もなく
見つめあっていたが·····
「もう少し寝たら。
あっ、喉乾いてない?」
「少し水、欲しいかな」
と、言うから
先生から許可がでていたから
吸い飲みに水をいれて
口に運ぶと美味しそうに飲んだ。
沢山は飲めないが
口から物を入れたことに
ホッとした。
まだ、熱は高く身体は衰弱しているから
うつらうつらとなるが
その度に首をふり
眠らないように頑張る千里に
「帰らないよ。ちゃんといるから
ゆっくり寝て。」
と、言うと
ハッとした顔をしながら
私を見て、ツーッと涙を落とす
私はその涙を拭いて
椅子に腰かけた。
千里は私の一部始終を目で追うから
私は可笑しくなって
笑いながら千里の手を取り
握りしめると
千里は手を引こうとした
ああっ、手を繋ぐのも嫌だよね
と、思っていると
「···ちがうっ、俺、
····風呂入ってないから····」
と、赤くなりながら言うから、
ふきだしてしまうと
ますます、赤くなる千里。
「大丈夫だよ。」
と、言って千里の手を両手で
包むと千里は苦笑いをして
眼を閉じた。
やっぱり疲れていたんだ。
私は、千里の寝息を聞きながら
本当に安心していた。
一時は危なかったのに
それなのに少しでも笑ってくれて····
本来なら桜田さんに
連絡をして代わらないと
いけないのかもしれないが
私は·····譲る事が····できなかった······。。