破 恋

日曜日の朝も私は一度
家に戻り、シャワーを浴びて
着替えをしてから
病院に戻った。

千里は、わかっていたからか
私が戻ると少しだけ
不安な顔をして
また、看護師さんに笑われていた。

ずっと····こんな日が···
続いたら····と。
情けないなぁ····本当に·····

みかからも連絡あって
少し話した。
野上主任からもあり
現状を報告した。

その時、野上主任から
千里が入院していることは
会社には、報告しないから
と、言われた。

なぜかとも思ったが
桜田さんも知らないと
それしか頭になくて
それ以上は考えなかった。

みかも美月も他言はしないが
みかに野上主任から言われた事を
LINEした。

千里にも、その事を伝えると
頷いていた。

日曜日の午後には、
熱も36度台になったが
まだ、上がったり、下がったり
を繰り返すが
呼吸は落ち着いてきた。
アルコール中毒も軽かったため
大事に至らなくて済み
脱水症状と栄養摂取を
治療していた。

「ご飯が普通食になれば
帰っても良いよ。」
と、先生から言われた。

私も面会時間終了には
帰宅しないと翌日から仕事だ。

千里は、夕食の七部粥は
綺麗に食べ、添えつけの牛乳と
果物も食べ終えた。

きついかな?と思って見ていたが
意外に大丈夫そうで
ホッとした。

19時になって
「千里、私、帰るね。
しっかり食べてきちんと寝てよ。」
と、言うと
千里は、首を横にふり·····
「もう、来ない····よね····」
と、悲しそうに言うから
「····あしたも···来ても···いい?」
と、私が言うと顔を上げて
うん、うん、と何度も頷いた。

きっと千里は、まもなく退院できる
だろう。
それまでは見届けようと思った。

20時の面会時間終了の放送が
病院内に響くと
千里は、寂しそうな顔をするから
「きちんと寝て
    残さず食べてね。」
と、目を見ながら伝えると
「わかった。」と、頷いた。
「じゃ、帰るね。」
「気をつけて帰って。
あっ、あのっ、明日も来て。」
と、言うから
うん、と頷いて病室を後にした。
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