破 恋

「母さん、俺。
朝の話だけど。
誰が、家に来たの?」
「千里、お帰り。
朝の話し?
ああ、桜田杏ちゃんよ。
あなたと同じ会社に
勤めていると
言ってたわよ。
違うの?」
「なんで、桜田が家を知ってるのか
わからないんだ。」
「えっ、どういう事?」
「俺が結婚したいのは
心から愛してるのは
違う女性だ。
俺、その彼女を傷つける事をしたのに
倒れていた俺を病院に運んで
看病してくれたんだ。
彼女のお陰で土曜日に退院できたんだけど。」
「えっ、だから、あなたと
連絡がつかなかったの?
それで、体は、大丈夫なの?」
「うん。やっと治った。
軽度のアルコール中毒
脱水症状、胃の中は空っぽの上
肺炎になっていて
莉子が来てくれなかった
危なかったと言われたんだ。」
「あなた、いったい······
「実は·····。。。
と、俺は、営業の飲み会の日から
日曜日までの話を簡単に
母親に話した。

先生としても
きちんと話を聞いてから
自分の考えを話す
と、言う母。

俺が話した内容を把握してくれた。

俺のうぬぼれや
自信過剰になりすぎる事を
怒っていた。

人は謙虚さ失うと
ダメだと小さいときから
母には言われていた。
それを大人になった俺は
履き違え、いや、忘れ去っていた。
「ごめん。」
「でも、千里。
裏切りをしたあなたを
本当に莉子さんと言う方は
許してくれているの?
これからの長い人生で
その事が二人の障害にならない?
家庭を壊す障害に。
それなら、その····
あなたが間違いをおかした
杏ちゃんと責任を取るためにも
一緒になった方が良いのでは?
とても可愛くて良い子だったわよ。
私の家庭菜園を汗を流しながら
手伝ってくれたり
今の若い人は汗をかくからとか
陽に焼けるからとか
言うじゃない。
でも、あの子そんな事なくて
楽しそうにしていたのよ。
自分の両親も
千里との結婚を楽しみに
していると言っていたわよ。」
と、母に言われて
俺は嵌められた感ばかりだが
母には、それはわからないようだ。

だから····
「母さん、俺は桜田には
きちんと謝罪はする。
だけど、莉子が俺を許す事ができなくて
この先二人で進めないなら
俺は、生涯独身でいる。
母さんには、悪いけど
孫も見せることはできない事になる。
だが、桜田と一緒になることはない。」
と、言うと
母は、ため息をつきながら
「良く考えなさい。」
と、言って電話を切った。
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