破 恋

俺は、莉子に
『今から行っても?』
と、LINEをして
莉子のマンションに向かった。

莉子が玄関を暁や否や
莉子を抱き締めると
莉子も俺を抱き締めてくれた。

莉子もきっと不安だったのだろう。

二人で手を繋いで
リビングに行きソファーに
腰かけた。
莉子は、
すぐにコーヒーを淹れてくれて
「千里、ご飯は?」
「簡単に済ませた。」
と、話してから
母との会話を莉子にした。

隠し事はしたくなかったから
あの夜、桜田の部屋に泊まった
話から全て······

莉子は、涙を流しながら
時より不安から
ふるえを起こしたり
唇を強く噛んだりしていた。
話を終えても下を向いたままの莉子に
「莉子、何か言って?」
と、言うが
莉子は、首を振るだけで
時折、嗚咽をあげるだけだった

莉子がいなくなるような
気がして···
俺は、莉子を抱き締めた。

どのくらいそうしていただろうか
莉子は、ずっと心配していたのだろう
神経の使いすぎと泣いた事で
眠ってしまった。

俺は、莉子をベッドへと運び
目蓋の上を冷やす。
あの社内いち美しいと言われてる
莉子が近頃、眼鏡をかけているし
疲れた顔をしていると
耳に入った。

俺は、莉子を苦しめてるのか
だけど、手離してやれない
ごめんな莉子
本当にごめん。

莉子の家に置いたままになっている
服に着替えて莉子の横に
滑りこみ莉子を抱き締めた。

何度も話し合おう
そう、心に誓った。
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