没落姫の溺愛婚~双子の寵姫も楽じゃない!?~
「あ、そうだ彩希。
そう言えばお前、今日俺達に渡すものあるだろ?」

「…………えっ!?」

「忘れてるわけないよな、毎日毎日夜にひとりで頑張ってたし。
ほら、ちゃんと貰ってやるから寄越せ」

「嫌です!
絶対に、あれだけは嫌です~!」

 さっきから彩希を甘やかすのに忙しくて、きっと忘れてくれてると思ってたのに!

 どうやら、忘れてはいなかったらしい。
 彩希は抱きしめられたまま、いやいやと首を振った。

 だめだ。
 あれだけは、絶対に。

 しかし。

「だーめ。
私達が今日という日を、どれだけ楽しみにしてたと思っているの?
ほら、彩希の仕立てた衣装、早くちょうだい」

 芳哉が優しく笑い、彩希の顔を覗き込む。
 そして、無邪気な子どものように手を伸ばして催促してきた。
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