あたしを撫でる、君の手が好き。
「あっくん、これ……」
小声でそう言いながらカフェオレを差し出す。
躊躇いつつ、男子達のグループのほうに歩み寄っていこうとすると、あっくんが立ち上がった。そうして、あたしのほうに近付いてきてくれる。
目の前に立ったあっくんにドキッとしながらカフェオレを差し出すと、彼がそれを受け取ったあとにあたしの頭をぐしゃりと撫でた。
「ありがと。シロのごほーびのいちごミルクも買った?」
「うん。あと、これおつり」
「どーも」
いちごミルクを買ってもまだ残ったお金を返すと、あっくんがあたしの髪の毛に指を差し込むようにしてぐしゃぐしゃと撫でてきた。
「相変わらず柔らけーよな、シロの髪」
雑に見えるわりに優しいあっくんの触り方に、胸の奥がきゅんと鳴る。
あたしの髪の長さは、鎖骨に届くか届かないくらいのミディアムだけど、あっくんに触られたときにパサパサって思われないように毎日手入れはしてる。
いつの間にか見上げないといけないくらいに背が高くなってしまったあっくんを上目遣いに見ると、彼があたしを見下ろしてふっと笑った。
その笑顔にあたしがドクンと胸を高鳴らせたとき、あっくんが少し意地悪く目を細める。