あたしを撫でる、君の手が好き。

だって、徳永さんなんかよりずっと付き合いの長いあたしたちが「あっくん」と「シロ」って呼び合ってるのに。

だいたい「シロ」なんて、名前の一部ですらなくて、名字の白山の上から2文字取っただけ。そんな、ペットのイヌみたいな呼ばれ方なのに。

彼女でも好きな人でもなんでもない徳永さんが、あっくんと名前で呼び合ってるとか。そんなの、気にならないわけがない。

気になるどころか、もはや嫉妬するレベルだ。


「名前で呼び捨てにし合うとか、お互いが特別みたいじゃん。そういうの、なんかやだ」

「やだ、って何?自分だって、富谷にシロってあだ名で呼ばれてるくせに」

子どもみたいな言い方をしたあたしのことを、あっくんが笑う。


「富谷くんに呼ばれてるシロってあだ名は名字のほうだよ。でも、徳永さんとあっくんは違うでしょ?あたしは、あっくんの名前を他の女の子に気安く呼ばれたくない!」

強い口調でそう言うと、笑っていたあっくんが急に真顔になった。


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