あたしを撫でる、君の手が好き。
「嬉しそうに尻尾振って走ってきといて、飛びつく相手間違えんなよ」
「またそうやって人のこと犬みたいに……」
文句を言いながら見上げたら、あっくんはあたし以上に不貞腐れた顔をしていた。
「そうじゃなくて、事故でも他のやつに触られんなってこと」
あっくんがあたしの頬をむぎゅっとつまむ。
「触られてはないよ。むしろ、あたったのはあたしのほうで……」
言い訳するあたしを、あっくんが静かに見下ろしてくる。
「ごめん……」
無言の圧力に耐えきれなくなって謝ると、あっくんがあたしの頭を乱暴にぐしゃりと撫でた。
「帰ろ」
そう言って歩き出したあっくんが、あたしの左手をとって強く握る。
これまで、学校から一緒に帰るときに手を繋がれたことなんてなかったのに。
いったい、どうしちゃったんだろう。
あたしの部屋に来たあとから、あっくんがずっとおかしい。それはもちろん、あたしにとっては嬉しいおかしさで。
あっくんに手をひかれて歩きながら、あたしのなかの期待値がどんどんと上がっていく。