あたしを撫でる、君の手が好き。

あっくんもあたしの話をちゃんと聞いてくれてる。

タイミングはもう、今しかない。

下を向いてすーはーと深呼吸する。そうして、いざ想いを伝えようとしたとき、制服のスカートのポケットで震えたスマホの音が、あたしの告白の邪魔をした。


「あ、……」

「それはあとでいいじゃん。何言おうとしたの?」

「あ、えっと……」

せっかく覚悟を決めて話そうと思ったのに、スマホの音に邪魔されたせいで、歩きながら頭で何度も組み立てた告白のセリフが全部飛んでしまった。


「あの、あたしね……」

頭のなかで伝えたい言葉をなんとか立て直そうとしていると、またポケットのなかでブブッとスマホが震えだす。

ポケットの上から押さえたけれど、今度はなかなか鳴り止まない。たぶん、電話だ。

黙って待ってくれていたあっくんが、ついに苦笑いした。


< 152 / 227 >

この作品をシェア

pagetop