あたしを撫でる、君の手が好き。

「なにが、じゃねーよ。今日はやたらと、休み時間に俺に絡みにくるじゃん。亜聡、俺のことそんなに好きだっけ?」

「そう?いつもどおりだけど」

「そんなこと言って、本当は俺がシロちゃんに話しかけるのが嫌な……、おい、ってぇなー!」

あっくんが、体育着の袋を富谷くんの顔に投げ付け返す。


「サッカー部なら、ヘディングで返せよな」

「なんだよ、それ」

そこから、あっくんと富谷くんの戯れあうような言い合いが始まったから、あたしはふたりからそっと離れて桃佳のところに移動した。


「なんか今日、騒がしいね。るみの周辺」

「そうかな」

ぎゃあぎゃあと騒ぎながら、富谷くんと一緒に教室を出て行こうとするあっくんの横顔を見つめる。


「何かあったでしょ?」

あたし達だって次は体育なのに。移動も忘れてあっくんをジッと見ていると、桃佳があたしの耳にささやいてきた。

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