あたしを撫でる、君の手が好き。
「でも……」
口籠ってしばらく躊躇したものの、あたしに拒否権などはなかったらしい。
返事をする前にあっくんに手首を引っ張られ、膝からストンと、前向きにあっくんの脚のあいだに落ちる。
気付けばあたしは、額同士がぶつかりそうなくらいにあっくんに迫っていて。キスするときの距離かと思うくらいに、近かった。
思わず両手で口を覆ったあたしを見て、あっくんがククッと悪戯に笑う。
「こっち向きだと、アルバム見れないよ?これだったら────」
「む、向こう向いて座るから!」
あたしの手首に軽く触れてきたあっくんに、邪な気持ちを見透かされたような気がして焦る。
べ、別に、キスできそうな距離だなんて、思ってないし。
急いでくるっと身体を反転させると、あっくんがクスクス笑いながら、横に置いたアルバムをつかむ。
そうして、両腕と開いたアルバムの中に、あたしのことを閉じ込めた。