あたしを撫でる、君の手が好き。

「今思えば、何やってんだろーって感じだけど。小4の俺だって、ショックだったしな。るみに『好きじゃない』って言われたと思って」

「ごめん……」

あたしの知らないところで、そんなことがあったなんて。

ユイちゃんがあっくんに嘘の伝言を伝えなければ、もしかしてあたし達は……

今さら考えたって仕方ないことだけど、ついそんなふうに思ってしまう。

前を向いてうつむくと、あっくんがアルバムをあたしの膝の上にのせて、後ろからふわっと抱きしめてきた。


「昔のことはどうでもいいよ。今のるみは、俺のだし?」

あたしの右肩から顔を覗かせてきたあっくんが、悪戯っぽくにこっと笑う。

笑顔のあっくんに指先で顎を掬われて、胸がドクンと高鳴った。

目を伏せて、少し頭を傾けたあっくんが、次にどうするのか。あたしにも想像がつく。

あっくんに向かい合うように身体を動かしたとき、あっくんの膝にのせてあったアルバムが横にずり落ちた。

そのページのあいだから、一枚の写真が滑り出てくる。


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