あたしを撫でる、君の手が好き。
「幼稚園の頃から一緒なのに、わざわざ他人にそんなこと言わせるくらい嫌がられてんのかなーと思って。俺も結構、傷付いた」
「知らなくてごめん……でも、あたし……」
困惑顔で振り向くと、あっくんが切なげな目をしてゆるりと首を振った。
「今はもう、るみが頼んだかどうかは別にどうだっていいよ。でも、小4の俺はそのユイちゃんだかの言葉を間に受けちゃったんだよな。小4のときに、下校中に転んだるみのこと助けようとして、クラスのやつらに揶揄われたこと覚えてる?」
あっくんに問われて、小さく頷く。
覚えてるというよりも、忘れられない。そのときのからかいの言葉を境に、あっくんはあたしを名前で呼ばなくなったし、あたしとふたりで遊ばなくなった。
「あのとき、るみの顔が揶揄われて泣きそうになってるのがわかって。ユイちゃんに言われたこともあったし、俺とのこと揶揄われて嫌がってんだろーな、って思って」
「そんなことないよ」
「でも、俺はそんなの知らねーもん。ちょうどクラスのやつで、るみの『シロちゃん』てあだ名がイヌみたいだって笑ってるやつがいて。だから、俺も、るみのことなんてなんとも思ってないフリして、自分のこと守った」
あっくんがあたしを見つめて自嘲気味に笑う。
その笑顔を見たら、胸の奥がきゅーっと痛くなった。