あたしを撫でる、君の手が好き。

「だけど、他のひとを好きになろうと思っても、あたしには結局あっくんしか────」

本気で好きだと思えない。

最後まで言い切らないうちに、あたしを振り向かせたあっくんが、唇を塞いで、勢いのままにカーペットに押し倒してくる。

被さってきたあっくんの身体に一瞬ビクッとしたけれど、落とされるキスは優しく心地よくて。あたしの気持ちを満たしてくれた。


「あっくん……」

あたしを見つめる熱っぽい目も、髪を撫でる温かな手も、重ねられる柔らかな唇も。全部が愛おしく、大切に思えて。

キスの合間に名前を呼んだら、あっくんが笑ってあたしの耳にささやいた。


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