あたしを撫でる、君の手が好き。
「だって、あんなの見られたら、あたしがどれだけあっくんが好きだったかバレバレだよ」
ボソボソと零すあたしの背中に、あっくんが頭をくっつけてくる。
後ろから抱きしめてくるあっくんの腕にも、くっつかれることにもドキドキするけれど、それ以上に写真を見られたことが恥ずかしい。
あっくんに、弱みをひとつ握られることになってしまった……
「ほんとはね、中学のときに、あっくんのこと好きでいるのはやめようと思ったんだ。あたしのこと『シロ』って呼び出したあっくんに好きになってもらえる可能性なんてないと思ったから……」
中2の終わり頃。ひさしぶりに同じクラスになっても変わりそうもない関係性に落ち込んだあたしは、あっくんへの未練を捨てて、ひとつ上の先輩のことを好きになろうと思った。告白だってした。
だけど、真剣さが足りなかったのか、先輩にはフラれてしまって。
教室で落ち込んでいたあたしのことを、慰めてくれたのはあっくんだった。
「そいつ、見る目ねぇな」って。あたしの頭を撫でて慰めてくれたあっくんの手が、優しくて温かくて。
この手を諦めようと思った自分が、バカみたいに思えた。