あたしを撫でる、君の手が好き。
「手、離して」
体操着の裾をつかむ手を煩わしげに見遣ったあっくんが、低くつぶやく。
あっくんの完全な拒絶の態度に、あたしは何も言えずに手を離すしかなかった。
備品を取り上げて校庭へと運んでいくあっくんは、あたしのことを見向きもしない。
何か怒らせるようなことをしたなら謝りたいのに。あたしを受け入れようともしないあっくんの背中を呼び止めることができない。
こんなふうにあからさまに拒否されるのは初めてだ。
震える手を握り合わせたあたしは、あっくんの遠ざかって行く背中を見つめたまま、動けなかった。