あたしを撫でる、君の手が好き。




応援席に座ってぼーっと校庭を眺めていると、横からすっと現れた手のひらが、あたしの目の前でひらひら揺れた。


「るーみっ、生きてる?」

ぼんやりと無意識状態だった脳が、ハッと覚醒する。

おもむろに首を横に向けると、体育祭委員の仕事でどこかに行っていたはずの桃佳が、いつのまにか戻ってきていた。


「大丈夫?昼休み終わってから、ずーっとぼんやりしてるけど。今だって、呼んでも全然反応しないし。熱中症?」

「ううん、平気」

「そう?本気でヤバかったら言ってね。保健室連れてくから」

「ありがとう」

心配そうに顔を覗き込んでくる桃佳に、力なく微笑みかける。

熱中症とか、そんなんじゃない。

昼休みのあとから、ずーっとあたしを落ち込ませているのはあっくんだ。

昼休みの前に何かを理由に怒らせたきり、あっくんはあたしと目も合わせてくれない。

委員の仕事の合間に応援席に戻ってきても、あたしのそばは素通りで。そのことが余計にあたしを落ち込ませていた。


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