ボーダーライン。Neo【上】
嬉しくて、心が躍るのを感じていた。
初めての海外旅行にテンションが上がるのは勿論の事、日頃の立場を抜きにして、学園のアイドルとも言える、あの秋月くんとプライベートの時間を過ごせるなんて、何だか凄く贅沢だ。
少しの眠気が訪れ、あたしは固く目を閉じた。
十二時間半の長いフライトを経て、飛行機はロンドンへとたどり着いた。
美波とカイくんがお金の両替で離れた時、あたしは秋月くんに海外旅行の目的について訊ねた。
高校生男子が親とは別に、ましてや飛行機を使わなければ来れない遠方へ旅行するなんて、珍しいとしか思えなかったからだ。
彼らのこのロンドン旅行は毎年恒例のものらしく、二人は、カイくんの亡くなったご両親のお墓参りをするために帰っている。
田舎に帰る事だけが目的では無いだろうとは思っていたが、正直、その答えには度肝を抜かれた。そして同時に、遊びで付いて来た自分に対して、彼らに申し訳ないような、居たたまれない気持ちになった。
「ごめん、あたし達。そうとは知らずに、付いて来て」
「いや、いいんだ。じいちゃん家に着いたらすぐ……墓参りに行くし。そこで変に気ぃ遣われたくないから。俺もカイも」
秋月くんは口角を上げ、ね、と言ってやんわり笑った。
初めての海外旅行にテンションが上がるのは勿論の事、日頃の立場を抜きにして、学園のアイドルとも言える、あの秋月くんとプライベートの時間を過ごせるなんて、何だか凄く贅沢だ。
少しの眠気が訪れ、あたしは固く目を閉じた。
十二時間半の長いフライトを経て、飛行機はロンドンへとたどり着いた。
美波とカイくんがお金の両替で離れた時、あたしは秋月くんに海外旅行の目的について訊ねた。
高校生男子が親とは別に、ましてや飛行機を使わなければ来れない遠方へ旅行するなんて、珍しいとしか思えなかったからだ。
彼らのこのロンドン旅行は毎年恒例のものらしく、二人は、カイくんの亡くなったご両親のお墓参りをするために帰っている。
田舎に帰る事だけが目的では無いだろうとは思っていたが、正直、その答えには度肝を抜かれた。そして同時に、遊びで付いて来た自分に対して、彼らに申し訳ないような、居たたまれない気持ちになった。
「ごめん、あたし達。そうとは知らずに、付いて来て」
「いや、いいんだ。じいちゃん家に着いたらすぐ……墓参りに行くし。そこで変に気ぃ遣われたくないから。俺もカイも」
秋月くんは口角を上げ、ね、と言ってやんわり笑った。