ボーダーライン。Neo【上】
「(よく来てくれたね)」
ウッドデッキの似合う、可愛らしい三角お屋根の家だった。
白い扉を開け、‘Welcome’と英語で出迎えてくれたのは、秋月くん達のお祖母さんで、年の頃は七十代前半か、小柄の若々しい日本人女性だ。
映画で見るワンシーンの様に、彼らはお祖母さんと抱擁し、キスを交わす。
あたしは玄関先に突っ立ったまま、その様子をマジマジと見つめた。風習の違いに、本当に外国へ来たのだなと当たり前の事を考えた。
廊下の奥から、お祖父さんも駆けつけ、同様の再会を果たす。
秋月くんから既に聞き及んでいた事だが、お祖父さんだけがイギリス人で、明るい髪色と真っ青な瞳をしていた。
「可愛らしいお嬢さん方、はじめまして。祖母のヨーコです」
「祖父のレインです」
二人に会釈され、あたし達も慌てて頭を下げた。
「二葉美波です」
笑みを浮かべて美波が言うと、あたしも続けて、桜庭幸子です、と自己紹介をする。
「急に押し掛けてしまってすみません。少しの間ですが、お世話になります」
言いながら再び頭を下げると、ヨーコさんはにっこりと微笑んだ。
「さぁさ、玄関先で話し込むのも何だし、Breakfastにしましょ! さっき美味しいスコーンが焼けた所なの!」
ヨーコさんが弾んだ声を上げると、秋月くんは「やった!」と顔をほころばせた。
ウッドデッキの似合う、可愛らしい三角お屋根の家だった。
白い扉を開け、‘Welcome’と英語で出迎えてくれたのは、秋月くん達のお祖母さんで、年の頃は七十代前半か、小柄の若々しい日本人女性だ。
映画で見るワンシーンの様に、彼らはお祖母さんと抱擁し、キスを交わす。
あたしは玄関先に突っ立ったまま、その様子をマジマジと見つめた。風習の違いに、本当に外国へ来たのだなと当たり前の事を考えた。
廊下の奥から、お祖父さんも駆けつけ、同様の再会を果たす。
秋月くんから既に聞き及んでいた事だが、お祖父さんだけがイギリス人で、明るい髪色と真っ青な瞳をしていた。
「可愛らしいお嬢さん方、はじめまして。祖母のヨーコです」
「祖父のレインです」
二人に会釈され、あたし達も慌てて頭を下げた。
「二葉美波です」
笑みを浮かべて美波が言うと、あたしも続けて、桜庭幸子です、と自己紹介をする。
「急に押し掛けてしまってすみません。少しの間ですが、お世話になります」
言いながら再び頭を下げると、ヨーコさんはにっこりと微笑んだ。
「さぁさ、玄関先で話し込むのも何だし、Breakfastにしましょ! さっき美味しいスコーンが焼けた所なの!」
ヨーコさんが弾んだ声を上げると、秋月くんは「やった!」と顔をほころばせた。