ボーダーライン。Neo【上】
 どのスポットで見る秋月くんも、学校で見る彼とはまた違った表情で、キラキラと輝いて眩しかった。アイドル並みのオーラで、旅行に一華添えてくれたと思う。

 思い出すと途端に頬が熱くなる。あたしは缶を持ち上げ、右頬に当てた。

 その時だ。背後でカタ、と音がした。

「……先生。起きてたんだ?」

 パタン、と冷蔵庫の閉まる音と共に、若干くぐもった声が届いた。

 動揺からぎこちなく振り返り、あたしは小さく肩を揺らした。

「秋月くん……」

 ペットボトルのキャップを開け、彼は水を飲んでいた。さっきまで彼を思い出していたせいか、急にドキドキと鼓動が早まった。

 彼の目が手元のビールを捉え、あたしはまた頬を熱くした。

「……やっぱり。飲み足りなかったんだ?」

 クシャッと顔を崩して笑う秋月くんは、誰が見ても魅力的で、眩しくて見ていられない。

 あたしは一旦缶に目を落とした。隣りに立った彼を見上げ、小さく頷いた。

「あの後、一旦眠ったんだけど。すぐに目が覚めちゃって」

「そっか」

 言いながら、数十センチの間隔をあけ、秋月くんも腰を下ろした。

「なんか、駄目ね……。脳が興奮しちゃって。お酒飲まなきゃ寝らんない」

 言い訳じみた自分を、えへへと笑って誤魔化した。
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