ボーダーライン。Neo【上】
心中は複雑で、少しの間無言になる。
秋月くんから告白された事は誰にも話していなかった。空港で一緒だった美波にさえ、何でもないと言って、笑って誤魔化した。
その彼を話題に出され、何と言っていいか分からず、ただ沈黙してしまった。
いっそのこと、秋月くんに恋していると言えれば良いのだが、何となく笑われる気がして口を噤んだ。
『サチ?』
受話器の向こうで訝しむ声。
「ねぇ、美波」
『ん?』
「あたしって。いつも同じ様な人を好きになる」
優しくて、明るくて、目立ってて、カッコよくて、デリカシーなんて全く理解出来ない男の子。
美波が一拍、無言になった。
『何それ。今誰か、気になってる人がいるの?』
「え、あ、ううん? そういう訳じゃ無いんだけど。圭介と別れてから、何かそんな風に思っちゃって」
何言ってるんだろう、と思わず早口になる。
『サチってさ。いっつも事後報告だよね?』
「え」
『親友なんだからさ。ちょっとは相談して欲しいな』
携帯を持つ手にグッと力がこもった。
ーーもしかして、美波。既に知ってるんじゃ?
「美波。秋月くんから、何か聞いた?」
言いながらチラリと写真の彼に目を向ける。
『何かって?』
質問に質問で返され、カッと頬が熱くなる。
秋月くんから告白された事は誰にも話していなかった。空港で一緒だった美波にさえ、何でもないと言って、笑って誤魔化した。
その彼を話題に出され、何と言っていいか分からず、ただ沈黙してしまった。
いっそのこと、秋月くんに恋していると言えれば良いのだが、何となく笑われる気がして口を噤んだ。
『サチ?』
受話器の向こうで訝しむ声。
「ねぇ、美波」
『ん?』
「あたしって。いつも同じ様な人を好きになる」
優しくて、明るくて、目立ってて、カッコよくて、デリカシーなんて全く理解出来ない男の子。
美波が一拍、無言になった。
『何それ。今誰か、気になってる人がいるの?』
「え、あ、ううん? そういう訳じゃ無いんだけど。圭介と別れてから、何かそんな風に思っちゃって」
何言ってるんだろう、と思わず早口になる。
『サチってさ。いっつも事後報告だよね?』
「え」
『親友なんだからさ。ちょっとは相談して欲しいな』
携帯を持つ手にグッと力がこもった。
ーーもしかして、美波。既に知ってるんじゃ?
「美波。秋月くんから、何か聞いた?」
言いながらチラリと写真の彼に目を向ける。
『何かって?』
質問に質問で返され、カッと頬が熱くなる。