ボーダーライン。Neo【上】
ーーどうしよう、嫌われちゃうっ!
「ご、ごめんっ! あたしっ」
彼に嫌われる行動を散々とっておいてなんだが、あたしは慌てて立ち上がった。
その途端、ぐらんと天地が舞った。
「え?! ちょっ!?」
ベッドの上で足がよろめき、危うく転倒しかかった。
気付くと、ベッドの上から秋月くんに抱きつくような体勢をとっていて、柔軟剤の香りがふわっと鼻腔をくすぐった。ゆっくりと上体を起こされ、彼と距離を開けた。
ベッドひとつ分の高さがあるので、目線はほぼ同じで。すぐ近くに彼の唇があった。
カァッと頬が熱くなり、思わず俯いてしまう。
「はぁ。大丈夫?」
丁度、腰の辺りに彼の手があり、心音はこれでもかというほど鳴り響いていた。縮こまって、コクコクと頷いた。
「じゃあ、俺は帰るから。ちゃんと鍵しめてね?」
「あ、秋月くんっ」
回れ右で玄関に向かう彼を、声だけで追いかけた。
ん? と言って、秋月くんが振り返る。
「あの。ありがとう……」
本当は。酷い態度をとってごめんなさい、と謝らなければいけないのに、うまく言葉が続かない。
あたしは泣きそうになりながらも、無理やり口角を吊り上げた。
「それから。いきなり、ごめんなさい」
「……いや」
秋月くんは若干困ったように、首を傾げた。そして、真っ直ぐにあたしを見つめた。
「ご、ごめんっ! あたしっ」
彼に嫌われる行動を散々とっておいてなんだが、あたしは慌てて立ち上がった。
その途端、ぐらんと天地が舞った。
「え?! ちょっ!?」
ベッドの上で足がよろめき、危うく転倒しかかった。
気付くと、ベッドの上から秋月くんに抱きつくような体勢をとっていて、柔軟剤の香りがふわっと鼻腔をくすぐった。ゆっくりと上体を起こされ、彼と距離を開けた。
ベッドひとつ分の高さがあるので、目線はほぼ同じで。すぐ近くに彼の唇があった。
カァッと頬が熱くなり、思わず俯いてしまう。
「はぁ。大丈夫?」
丁度、腰の辺りに彼の手があり、心音はこれでもかというほど鳴り響いていた。縮こまって、コクコクと頷いた。
「じゃあ、俺は帰るから。ちゃんと鍵しめてね?」
「あ、秋月くんっ」
回れ右で玄関に向かう彼を、声だけで追いかけた。
ん? と言って、秋月くんが振り返る。
「あの。ありがとう……」
本当は。酷い態度をとってごめんなさい、と謝らなければいけないのに、うまく言葉が続かない。
あたしは泣きそうになりながらも、無理やり口角を吊り上げた。
「それから。いきなり、ごめんなさい」
「……いや」
秋月くんは若干困ったように、首を傾げた。そして、真っ直ぐにあたしを見つめた。