陰陽師の狂愛の鎖

私の名前は本田真奈美（ほんだまなみ）。ごく普通の大学生と言いたいけれど、それは叶わない。その理由は二つ。

一つ目。突然だけど、私には強い霊感がある。そのせいでテレビで取り上げられるような怖い経験を何度もしているし、襲われかけたこともある。この霊媒体質のせいで、「気味が悪い」なんてこともよく言われた。

二つ目。私が今いるのは家でも大学でもない。十畳ほどの和室にいる。和室にはおしゃれな家具が置かれ、過ごしやすい空間となっているが、部屋の分厚いドアには外側から鍵がかけられ、私の両手は鎖で拘束されている。そう、私は今監禁されている。だから普通の大学生とは言えない。

部屋の天井近くには開けることのできない窓があり、そこから太陽の光や青空を見ることができる。でも、私はもう数ヶ月ほど外に出してもらっていない。

和室に敷かれている布団の上に私はため息をつきながら横になる。この部屋にはテレビや本が置かれているけど、外に出たい。