陰陽師の狂愛の鎖
「何で?何でそんなこと……」

その時、強く抱き締められる。私は逃げようとするけど男性の力には敵わなかった。

「僕ね、君のことをずっと見てたよ。関わりたいけど関われなくて、もどかしかったなぁ。ようやく本田さんと関われるようになったと思ったけど、君の周りには邪魔者が多すぎる。だから、邪魔者は排除していくことにしたんだぁ」

うっとりとするような声で黒鉄くんは言う。その刹那、グラリと視界が渦巻いて意識が遠のいた。



それから目を覚ました時、私は和室に閉じ込められていた。綺麗な着物に着替えさせられて、鎖で両手を拘束されている。

「大丈夫。ここでずっと可愛がってあげるから……。ここにいたら本田さんが誰かと結ばれることなんてないしね」

目を覚まして戸惑う私に、黒鉄くんが笑顔で言う。

「い、嫌!放して!」

自由を奪われた恐怖で震える私の顔を、黒鉄くんは両手で包む。そして「永遠に愛してるよ」という言葉とともに、私の唇は乱暴に黒鉄くんの唇によって塞がれた。
< 10 / 11 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop