monochrome

緑「じゃあ先に2人は向かってて。
流星は2人の運転手兼ボディーガードとして着いてって」
黄「了解」

こうして車で港まで出発した。

青「…緊張してる?」
「そりゃするよ。初めての現場だし、こんな服着ることも無いし」
青「天咲は俺がエスコートするから、大丈夫」
「うん、ありがとう」

いつも美容のことなんかを話す龍斗と、婚約者の設定で張り込むなんて誰が予想しただろう。
大きな緊張と、少しの高揚感をおぼえ港へ着く。
龍斗が右腕を差し出すから、私はその腕に左手を組んで船へ乗り込んだ。

〈いらっしゃい、さきさん〉
「あら社長。この度はご招待頂き誠にありがとうございます。
こちら婚約者の浩さんです」
〈初めまして。永井浩と申します〉

龍斗が社長に偽の名刺を渡す。
これを合図に、残りのメンバーが船へ乗り込む。

白「客室到着。これより奴らの監視を始めます。」
桃「こちらもOK」
紫「こっちも準備できたよ」

着々と準備が進む中、こちらもいよいよターゲットとご対面だ。

(初めまして。ご紹介に預かりました アンセム社の市川です)
青「初めまして、永井です。こちらが婚約者の、」
「さきです。社長にいつもお世話になっております」
〈まあまあ、あとは若いもの達だけでどうぞお話ください〉
「あら、ご一緒していただけないんですか?」
〈私は少し、代表に代わり他の方に挨拶を…〉
(ああ、悪いね)
青「ではまた後でごゆっくり」

こうして、3人での食事の席となった。
私の初陣が始まる。
深呼吸をしながら、前にあるグラスのドリンクを1口含んだ。
< 70 / 134 >

この作品をシェア

pagetop