キミの世界で一番嫌いな人。
こんな不良のたまり場のような学校でさ。
最初だって、俺の名前を使ったから生活できてたようなものじゃん。
俺がいなかったら今頃どうなってたんだよお前。
……というか。
「……は?…俺、いま、なんて言った…?」
ないない、なに言ってんの俺。
馬鹿じゃない?いや、馬鹿だな。
完全にあいつのが移った。
「あんな生意気で口悪くて子供っぽいヤツ、誰が…」
でも、それってわざとそうしてるのかな。
男になるために長かった髪を切ったくらいなんだから。
わざと“俺”って言って、わざと下品に取り繕って。
『先輩が笑ってくれるなら、俺はそれでいい』
ぜんぶ男として生きるために、自ら無理やりにでも変えたのか。
だってさっき腕掴んだ瞬間、女みたいな悲鳴あげたし。
思わず少し緩めちゃったくらいに。
「…やっぱり女の子のほうがいいよ。───…慣れないことしてんなよ、馬鹿」
今日は俺、独り言が多い日だ。
ぜんぶが藤城サンのためっていうところにいちばん腹が立つ。
あんなに泣かせてくれるし。
俺やっぱり、いつかあの人を思いっきり殴りたいや。
*