キミの世界で一番嫌いな人。




こんな不良のたまり場のような学校でさ。

最初だって、俺の名前を使ったから生活できてたようなものじゃん。

俺がいなかったら今頃どうなってたんだよお前。


……というか。



「……は?…俺、いま、なんて言った…?」



ないない、なに言ってんの俺。

馬鹿じゃない?いや、馬鹿だな。


完全にあいつのが移った。



「あんな生意気で口悪くて子供っぽいヤツ、誰が…」



でも、それってわざとそうしてるのかな。

男になるために長かった髪を切ったくらいなんだから。


わざと“俺”って言って、わざと下品に取り繕って。



『先輩が笑ってくれるなら、俺はそれでいい』



ぜんぶ男として生きるために、自ら無理やりにでも変えたのか。

だってさっき腕掴んだ瞬間、女みたいな悲鳴あげたし。


思わず少し緩めちゃったくらいに。



「…やっぱり女の子のほうがいいよ。───…慣れないことしてんなよ、馬鹿」



今日は俺、独り言が多い日だ。

ぜんぶが藤城サンのためっていうところにいちばん腹が立つ。


あんなに泣かせてくれるし。

俺やっぱり、いつかあの人を思いっきり殴りたいや。








< 143 / 317 >

この作品をシェア

pagetop