AIが決めた恋
「ねえ、藍ちゃん、いるの?」

部屋のドアが叩かれる音がした。

「いるなら、開けて。」

その声は、先程私を裏切った、“彼女”だった。
入れたくない。正直、どのような顔をして、会えば良いのか分からない。しかし、この部屋は私1人で使っているわけではなく、数人で共有して使っていた。彼女も私と同室だった為、開ける開けないの選択肢は私には無いと思い、渋々ドアを開けた。

「藍ちゃん!さっきはごめんね〜。私、藍ちゃんのこと男だなんて全然思ってないよ!でもさぁ、さっきの流れだと、男って言わないと、関係無い私まで色々言われちゃいそうだったから〜。まあ、とにかくごめんね!」

彼女は入ってきて真っ先にそう言った。
信じられなかった。彼女の言っていることが、途中から頭に全く入ってこなくなった。

「な、何言ってるの…?」
「何って?日本語だよ?」
「そうじゃなくて…」
「っていうか〜、藍ちゃん走って逃げちゃうし、ビックリしたんだから〜。」

この子は、あんなことをして、何故平気なのだろうか。自分が悪いことをしたのだと全く理解していなかった。
私はその時初めて、他人に『諦め』という感情を抱いた。
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