AIが決めた恋
「人生、そんなに上手くいくわけがないだろ。」
「は?何か言いましたか?」
「いいか皆、よく聞け。このテストで良い点を取ろうが悪い点を取ろうが、それはそれぞれの勝手だ。しかし、悪い点を取ったら、パートナーに迷惑をかけるということだけ覚えておいて欲しい。」

パートナーに迷惑をかける…?どういうことだろう。

「テストは、国語、数学、化学、物理、生物、世界史、現代社会、英語の8科目だ。その中で1つでも30点以下を取ったら、罰として、夏休みの間、パートナーと高瀬AI研究所へ行き、研究の手伝いをしてもらう。まあ、『手伝い』と言っても、全てが雑用だけどな。」

その瞬間、クラスがざわめいた。
そして、本田くんが人一倍大声を上げた。

「はあ!?頭おかしいんじゃねーの!?30点以下取るような頭悪い奴が手伝いに行ったところで、役に立つわけねーじゃん!」

一見正論にも聞こえるような発言だが、きっと自分が勉強も手伝いもしたくないだけで言っていることだろう。そして先生も、それに気づいている様子だった。

「まあ、そういうことだから、頑張ってくれ。それでは今日のHRはここで終わりだ。」
「ちょっと、先生…!!」
「そんなに嫌なら、ちゃんと勉強することだな。」

先生は、そう捨て台詞を吐くと、教室から出ていった。
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