御曹司は箱入り娘を初夜に暴く~お見合いしたら、溺愛が始まりました~
時間がない。
一ヶ月後、オトワリゾート創立百周年の記念パーティーがある。
父のことだから、そこで美砂と私、ふたりの婚約を発表するつもりに違いない。池畠さんが婚約者だと公になってしまう前に、なんとかしなきゃ……。
私には経験ないけど、まるで借金とりに追いたてられているようだ。八方塞がりなのに、リミットだけが近づいていく。
どうしよう……。どうしたらいいの。私にはなにも思いつかない。
『沙穂ちゃんとこうしてる時間が一番好きなんだ』
透さん……。
このまま美砂を差し置いて、私だけ幸せにはなれません……。
「沙穂ちゃん」
静まりかえった部屋に、背後から透さんの声が響いた。
しまった。起こしちゃった。
顔を上げてゴシゴシと目を拭い「すみませんっ」と振り向くと、真剣な顔をした透さんが背もたれのそばに立っていた。
「泣いてたの?」
……バレてる。私はなにも言えずにいた。
一度引っ込めた涙も容易ににじみだし、言い逃れができずに膝に目を落とす。
「なんでもないです……」
「俺のせい?」
ブンブン首を振った。本当に違う。
「隠れて泣いてたのに気づけなくてごめんね。どうしたの? 俺に話せる?」
彼の言葉は感情的ではなく、優しく包みこむように穏やか。
隣にきてくれて、彼もソファに腰をおろした。
一ヶ月後、オトワリゾート創立百周年の記念パーティーがある。
父のことだから、そこで美砂と私、ふたりの婚約を発表するつもりに違いない。池畠さんが婚約者だと公になってしまう前に、なんとかしなきゃ……。
私には経験ないけど、まるで借金とりに追いたてられているようだ。八方塞がりなのに、リミットだけが近づいていく。
どうしよう……。どうしたらいいの。私にはなにも思いつかない。
『沙穂ちゃんとこうしてる時間が一番好きなんだ』
透さん……。
このまま美砂を差し置いて、私だけ幸せにはなれません……。
「沙穂ちゃん」
静まりかえった部屋に、背後から透さんの声が響いた。
しまった。起こしちゃった。
顔を上げてゴシゴシと目を拭い「すみませんっ」と振り向くと、真剣な顔をした透さんが背もたれのそばに立っていた。
「泣いてたの?」
……バレてる。私はなにも言えずにいた。
一度引っ込めた涙も容易ににじみだし、言い逃れができずに膝に目を落とす。
「なんでもないです……」
「俺のせい?」
ブンブン首を振った。本当に違う。
「隠れて泣いてたのに気づけなくてごめんね。どうしたの? 俺に話せる?」
彼の言葉は感情的ではなく、優しく包みこむように穏やか。
隣にきてくれて、彼もソファに腰をおろした。