御曹司は箱入り娘を初夜に暴く~お見合いしたら、溺愛が始まりました~
「大丈夫です」と声をかけようと、彼の腕の中で向かい合わせの体勢に変えた。
お互いの素肌が正面から密着し、またドキドキと胸が高鳴る。

ふと、お湯の中で透さんの体が反応したのが分かった。

「ごめん。ほんとごめん。気にしないで」

真っ赤な顔で体を離そうとする彼に私はさらに距離を詰めていく。
体が触れあって、じわじわ痺れてる。

「沙穂ちゃんっ」

「私ばかりいろいろしてもらって、透さんになにもできなかったのですが……」

「いい。いい。沙穂ちゃんはなにもしなくていいから」

むきになって断る彼をなぜかかわいいと感じてしまう。
お湯の動きにまぎれ、ゆっくり手を伸ばして彼に触れてみた。

「……っ、お願いだから。そんなことされたら困るよ」

そうかな。嫌がらないし、期待しているように見える気がする。透さん、色っぽい。私も透さんを気持ちよくしたい。

「沙穂ちゃんっ……待って」

透さんの制止は聞かず、チャプンと音を立て、お湯の中で好き勝手に手を動かした。知識や経験が圧倒的に少ないから、私はできるかぎりのことをしたい。

彼に形勢逆転されるまで続け、私たちはすっかりのぼせあがった。
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