御曹司は箱入り娘を初夜に暴く~お見合いしたら、溺愛が始まりました~
◇◇◇

透さんとともに一度実家に寄り、父と話をした。
池畠さんが脱税の事実を認めたという報道がなされ、婚約の取り消しが正式に決定。今後捜査にも協力するとのこと。

父も美砂も気落ちしているかと思いきや、正式発表の前に発覚して本当によかったと安堵している様子だ。


「本当に大丈夫でしょうか」

透さんとマンションへ帰り、髪をほどきながらそう尋ねた。
自分でもなにをもって〝大丈夫〟なのかよく分からないが、とにかく不安でいっぱいだ。

「大丈夫。社長と美砂の言う通り、正式に婚約をする前に明らかになったおかげでオトワリゾートは難を逃れた。これでいいんだよ、安心していい」

簡単に言うけど……。
まだ信じられない。透さんたら、本当に美砂に黙ったまま、宣言通り池畠さんを婚約者の座から引きずり降ろしたんだもの。

「透さん、いったいどうやったんですか。池畠さんを逮捕に追い込むなんて」

ドレス姿のままだが、ソファで休んでいた彼に詰め寄った。ソファの背もたれには、彼のジャケット、ネクタイ、ベルトがかかっている。
彼は私を膝に乗せ、背中のファスナーを下げて緩めた。

「教えてあげるけど、秘密にしてくれる?」

両手をとられ、首筋にキスを落とされながら、私は目を閉じてコクコクとうなずいた。
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