御曹司は箱入り娘を初夜に暴く~お見合いしたら、溺愛が始まりました~
「透さん……からかってますか?」

私はどう反応していいか分からず、熱くなった顔をサイドの髪で隠したままそう反発した。
彼は人をからかう性格ではなかったはずだが、ここまで緊張している私がさすがに面白くなったに違いない。

「からかってないよ。かわいくしてきてくれて、うれしい」

「そっ……」

そういうつもりじゃありません!とは嘘でも言えなかった。
透さんのために朝から浮かれて準備をしていた事実が、ただただ恥ずかしい。

彼はフロントガラスへ目を戻した。

「少しかかるけど埼玉まで行こうか。多分混んでるけどね。ちょうど桜祭りをやってるから」

「えっ、埼玉ですか!?」

「向こうは綺麗だよ。屋台も出てるし」

想像していたより遠い。というか、そんなにしっかりしたデートだとは知らなくて戸惑っている。
広い公園に行って少し歩く程度かと思っていた。

もちろん嫌がる理由はない。というか、ワクワクしている。

でも姉を差し置いて私がデートをする状況がどうしても飲み込めない。
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