御曹司は箱入り娘を初夜に暴く~お見合いしたら、溺愛が始まりました~
「透さん、お仕事はどうですか。コンサルタントはお忙しいと聞きました」

話題を変えた。私が尋ねるにはおこがましい質問だが、時間をとってもらった以上はお仕事について知っておきたい。

「まあね。プロジェクトの間は決まった休みはないし、家にも仕事を持ち帰ってるよ。オトワリゾートの案件も、そろそろ忙しくなりそうかな」

やはり。今日は貴重な休みだったのでは。

不安になり視線を彼に向ける。しかし彼は疲れをいっさい感じさせない落ち着いた横顔で運転していた。

「でも言い方を変えれば、やり方しだいでいくらでも時間を作れるってこと。だから沙穂ちゃんは心配しないで」

「透さん……」

大人だなぁ。私の不安に先回りしてフォローを入れてくれた。仕事もできてその上優しいのだから、きっと部下の信頼も厚いのだろう。

「それに。今の仕事はコンサルティングより部下の評価や予算の調整が主だからね。一時期よりはずいぶん楽になってる」

「すごいです……。雑誌の記事を読んだときもそう思いました。なんかもう、私には雲の上の人です。すごすぎて」

語彙力のなさを露呈しながら正直な感想を述べると、透さんはクスッと照れ笑いをする。

「あまり自慢する男にはなりたくないんだけど、褒めてもらえるとつい欲が出そうになるな」

喜んでもらえた。数分前の変な空気はすっかり消え去り、私も再び心が弾みだす。
< 42 / 153 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop