御曹司は箱入り娘を初夜に暴く~お見合いしたら、溺愛が始まりました~
いろいろと吹っ切れて実家を出ていた俺は、ワンルームのマンションへ帰宅し、デスクに手紙を置いた。

封筒の裏面には【とおるさんへ】と記されている。
字が上手いな。書道かなにか習っているのか。さっきのイメージと少し違う。

そこへの興味で、チェアーに座り、封を開ける気になった。

【はじめまして。突然のお手紙で驚かせてすみません。私は同じサークルの乙羽美砂と申します】

丁寧な書き出し。肩の力を入れずに読めるような安心感がある。

【大学は『アベリア女子学院』に通っていて、『オトワリゾート』を経営する乙羽家の長女です。お恥ずかしいですが、限られた人間関係の中で育ち、女子校特有の生活を送ってきたゆえ世間知らずな部分があります】

ちゃんと自覚しているのか。しかし、文章では世間知らずが書いているとは思えない。冷静で客観的な印象を受ける。
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