御曹司は箱入り娘を初夜に暴く~お見合いしたら、溺愛が始まりました~
「沙穂ちゃん。ひとつだけお願いしたいんだけど」

透さんは冷静なのだろうか。女といえど私相手には変な気分にはならないのかも。
またなにか怒られるのかな、とかまえながら、「なんですか?」と返事をする。

「おやすみのキスをしてもいいかな」

えっ!?

「ダメ?」

予想外のお願いにビックリしすぎて、私は枕を抱きしめていた。
透さんはいたずらっ子のように小首をかしげている。

「キ、キキキキ」

ああダメだ喋れない。
透さんはそんな私を小さく笑っている。

「どこでもいいんだ。おでこでも、ほっぺでも、手の甲でも。どこかキスさせて。それで我慢するから」

我慢って?

混乱しておかしくなりそうだったが、どこかにキスをしてもらわなきゃ。ぐるぐるする頭でどこがいいか考え始める。
デートのとき、おでこ、というか前髪にしてもらったことがある。今夜は別の場所にするなら……。

「……ほっぺでお願いします」

ギュッと目を閉じてそう告げた。
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