懐妊一夜~赤ちゃんを宿したら極上御曹司の盲愛が止まりません~
「すれ違い続けたが、今日ここで出逢えたのは、マスターの言う通り何かしらの縁があるのかもしれないな。素直に俺は嬉しいよ」

「え?」

向けられた妖艶な笑みと思わせ振りな言葉に動揺を隠せない。

「そ、それにしてもマスターの作るオムナポリは絶品ですよねー」

「ん?」

気まずくなった私は思いきり話を方向転換した。これ以上その話に触れられたら私の心臓が持ちそうにないと脳が判断したようだ。

「ケチャップの酸味を抑えたまろやかで甘めな味付けに、あとこの甘辛い生姜焼きとシャキシャキな玉ねぎの組み合わせ。極め付けは口触り滑らかで軽めなポテサラ。これこそ、もう最強の晩餐ですよ!」

ヤバイ。気がつけばニヤニヤしながら熱くオムナポリの魅力を語ってしまった。なんかオタクっぽく力説し過ぎたかも。これ、完全に引かれたんじゃなかろうか。

恐る恐る副社長の方に視線を送れば、意外にもどこか楽しげに笑みを浮かべる副社長の姿があった。
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