懐妊一夜~赤ちゃんを宿したら極上御曹司の盲愛が止まりません~
「蜜葉、顔を上げてくれ」

そんな私に結斗さんがスッと手を差し伸べて、私の頰を優しく撫でた。恐る恐る結斗さんの方を見てみれば、優しく微笑む結斗さんの姿がある。

「面倒くさい女だと幻滅しないんですか?」

「するわけがないだろう。こんなにも蜜葉のことが好きなのだから」

「結斗さん……」

「俺の方が幻滅されていないか心配だ」

「私が結斗さんを? そんなわけな……」

「笹原くんに嫉妬したんだ。だからついムキになって蜜葉にも棘がある言い方をしてしまったんだ」

結斗さんが笹原に嫉妬? まさかの言葉が返ってきて私は目を見開く。

「笹原くんと蜜葉が親しげにしているのを見ていたら気持ちがモヤモヤしたんだ。俺は蜜葉より六つも歳上だろう? だから蜜葉の前では寛容な男でいたいというプライドがあった。だが取り繕うこともできないくらい沸き上がってくる嫉妬心を抑えられなかったんだ」

「結斗さん……」

結斗さんは、素直に想いを口にしてくれた。向けられるそのまなざしは切なげで憂いを帯びていて胸がキュッとなる。
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