キミと、光の彼方へ。
「お母さんのことは任せて下さい。母の分まで、お墓参り、よろしくお願いします」

「珠汐奈ちゃん...」


瀬代さんが近付いてきて、私の頭に手を乗せた。


「はい。じゃあ、行ってきます」

「行って......行ってらっしゃい」

「うん」


初めて私は瀬代さんと言葉を交わした。

これで、1歩前進ってことにしよう。

なんだろう。

なんだか、さっきから熱い。

どうしてこんなに熱いのか分からないけど、熱がじわじわと心も体も暖めていく。

こんな温度に触れたこと、なかった。

今、私、人生で1番暖かい。


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